こんな人にオススメです。
ベンチャー企業への転職活動をする中で「赤字のベンチャー企業には転職しない方がいいのか」。面接時の質疑応答で「なにを質問したらいいのか」「どこまで質問をしていいのか」わからない。このようにお悩みの人も多いのではないでしょうか。
私は、新卒で酒屋(酒専門の卸売業)の営業として就職しました。そして、32歳の時「ITベンチャー企業」に初転職しました。その時、ITベンチャー企業への知識は全くありませんでした。
職種は「営業職」そのままに、業界は食品商社(酒の卸売)からIT企業(ECプラットフォーム)へと180°変えました。転職から2年たち営業部で成果を残し、現在は管理部(情報管理、契約管理、請求管理、債権管理)で新たなキャリアを構築しています。
この記事では、現役でITベンチャー企業に勤務しているからわかる「赤字のベンチャー企業へは転職しない方がいいのか」「面接時にどんな質問をすればいいのか」について徹底解説していきます。
①赤字でもベンチャー企業は問題ない
ベンチャー企業の仕組 / 資金調達
ベンチャー企業はすべてにおいてリソース(人・モノ・金)が足りていません。
事業を拡大するために人材の獲得や広告宣伝費を確保したいと考えても財務的に厳しく、資金の面からビジネスの拡大が鈍化する場合もあります。
近年では投資機関からの出資を受けて、資金調達を成功させ事業を拡大するベンチャー企業が増えています。
ベンチャー企業(スタートアップ)にお金はありません。
その企業の成長ステージによりますが、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、銀行などから資金調達をしている企業がほとんどです。
企業のビジネスモデルや将来性を買ってもらい出資をしていただいてます。
赤字を出し続けている企業も珍しくありません。
資金調達のタイミング
その企業の成長ステージによって資金調達を行う理由は異なりますが、大きく4つに分かれます。
シード | 大枠のビジネスモデルが決まった段階 |
シリーズA | ビジネスを開始した段階 人やモノを拡大させるタイミング |
シリーズB | ビジネスが軌道に乗り始めた段階 さらなる事業拡大(新規事業)を始めるタイミング |
シリーズC | 黒字経営が安定した段階 上場を見据えるタイミング |
資金調達を行うタイミングは、大きく2つあります。
- 事業を拡大させたり軌道に乗せたいとき
- 参入している市場が成長し、ビジネスの機会が拡大しているとき
企業の今後を左右する重要な決断をするときに資金調達をしている場合が目立ちます。
ビジネスモデル / 収益構造を理解する
ベンチャー業界は、Jカーブのような曲線を描いて成長していきます。
目の前の単月黒字化よりも、将来的な売上の増大、シェア拡大を目指しているため、広告費・人件費の先行投資などで赤字になることは珍しくありません。
上記の理由からもネット情報だけを見て「このベンチャー企業は赤字だからやばいのでは?」と考える必要は一切ありません。
ベンチャー企業で重要なのは、
- 今は赤字だが、今後黒字化して伸びていく企業を選択する
- 市場が成長していて、企業のビジネスモデル(収益構造)に明確な勝ち筋が見えている
この2つが重要になります。
初期~中期(シード期~シリーズB)の時にでどれだけ赤字を掘って事業基盤を作れるか。広告費を使用しなくても黒字化できる基盤作りが大切になります。
解説してきたように「赤字かどうか」は全然重要ではありません。
②ベンチャー企業の面接で質問すべきこと
面接時に質問することは、2つの意味があります。
- 面接評価を上げるための質問
- 求職者(あなた)が抱く、疑問や悩みを解消する質問
面接評価を上げるための質問
一概には言えませんが、以下のような質問が的確にできると面接での評価は上がります。
- 経営者視点での質問:経営者視点で事業をとらえることができる能力
- 自分なりに仮説を立てての質問:仮説検証能力
- 事前調査や面接の中で見えてきた企業課題に対する質問:課題を発見する能力
特に、メンバー候補としての面接ではなく、リーダー、マネージャー候補としての面接の場合「逆質問」は重要な意味を持ちます。
的外れな質問をしてしまった場合、面接評価が下がることもあります。
また、面接時に「逆質問」をする意味について、勤めている会社(今私が勤めているベンチャー企業)の取締役に聞いてみたところ、
- 志望意欲の確認
- 自社への興味関心・理解度の確認
- コミュニケーション能力の確認
- 人間性や能力(スキル)の確認
- 転職希望者の価値観の確認
- 入社前の不安・疑問の解消
などを確認するためだと言っていました。
質問してくる内容で、転職希望者の能力が見えることもあるそうです。
求職者(あなた)が抱く、疑問や悩みを解消する質問
ベンチャー(スタートアップ)企業への転職で、内定者の人が最も悩んでいることは、その企業が「どうやって勝つのか」「勝とうとしているのか」を具体的に知らないことです。
要するに、その企業がどのように売上を伸ばし黒字化していくのか、勝ち筋が全く見えていないので内定が出てから不安に襲われます。
先日、私が勤めている部署(管理部)であった話ですが、
当社でも「経理・総務・労務」人材が不足しており、採用面接に立ち会うことがありました。面接に立ち会った転職希望者の方にめでたく内定が出たのですが、数日後に「内定を辞退したい」と申し出がありました。
理由を伺ったところ、内定後に当社の決算書を見ていたところ赤字であることがわかり「転職後の不安を払拭することができないため辞退したい」という理由でした。
面接時に「売上を教えてください」「利益を教えてください」「KPIを教えてください」とストレートに質問しても答えてくれる企業は少ないでしょう。(社外秘情報のため)
しかし、企業側もすべてを隠しているわけではないので、丁寧に質問していけば教えていただける場合も多くあります。
では、どのように質問をすればいいのでしょうか。
ベンチャー転職の面接で質問すること
ToBをメインで事業展開しているSaaS企業向けになりますが、
- MRR(月次経常収益)は何社くらいあるのか
- 毎月、何社くらい新規獲得しているのか
- チャーンレート(顧客の解約率)
- 顧客の平均単価
質問の仕方として、ストレートに聞くのではなく
例1:
今、御社の顧客取引数ってどのくらいですか?
100社くらいかな。
先ほど平均取引単価は10万っておっしゃっていましたよね?
まぁー、そのくらいかなー。
そうすると月の売上は100社×10万で1000万くらいですか?
そこに、毎月10社くらい新規顧客を獲得している感じです。
例2:
HPを拝見したらエンタープライズ企業との取引が10社ほどあるとお見受けしたのですが、それ以外の企業との取引は何社くらいあるのですか?
約200社くらいですかね。
その200社の解約率って高いんですか?
月3%くらいかなー。
このように質問していくとその企業の売上がある程度見えてきます。
赤字だけを見ていたら不安になりますが、数字がわかってくると課題が見えきます。
課題がわかってくると勝ち筋がどこにあるのか見えてきます。
勝ち筋を理解することが重要です。
③まとめ
解説してきましたが、ベンチャー企業は、
目の前の単月黒字化よりも、将来的な売上の増大、シェア拡大を目指しているため、広告費・人件費の先行投資などを行い赤字になることは珍しくありません。
ネット情報や決算書から「このベンチャー企業は赤字だからやばいのでは?」と考える必要はありません。
今赤字かよりもベンチャー企業で重要なのは、
- 今は赤字だが、今後黒字化して伸びていく企業を選択する
- 市場が成長していて、企業のビジネスモデル(収益構造)に明確な勝ち筋が見えている
ことが重要です。
初期~中期(シード期~シリーズB)の時にでどれだけ赤字を掘って事業基盤を作れるか。将来的に広告費を使用しなくても黒字化できる基盤作りが大切になります。
そうはいっても、赤字の企業に転職するのは勇気がいるし大きな不安も抱くと思います。
転職をする前に、今抱えている悩み、不安、疑問は100%解消してから入社することを強くオススメします。
ベンチャー(スタートアップ)企業への転職で、内定者の人が最も悩んでいることは、その企業が「どうやって勝つのか」「勝とうとしているのか」を具体的に知らないことです。
要するに、その企業がどのように売上を伸ばし黒字化していくのか、勝ち筋が全く見えていないので内定が出てから不安に襲われます。
その企業の「勝ち筋」はネット上には出ていません。また、転職エージェントすらも理解していません。(そのベンチャー企業の勝ち筋をしっかり理解している転職エージェントなどほとんどいないと思ってください)
採用面接時の質問タイムで聞き出すしかありません。
しかし、「売上を教えてください」「利益を教えてください」「KPIを教えてください」とストレートに質問しても答えてくれる企業は少ないでしょう。
聞き出す方法は、丁寧に質問していくことです。
- MRR(月次経常収益)は何社くらいあるのか
- 毎月、何社くらい新規獲得しているのか
- チャーンレート(顧客の解約率)
- 顧客の平均単価
これを質問することにより、
月次売上、年間売上、数字から企業課題が見えてきます。
赤字だけを見ていたら不安になりますが、数字がわかってくると課題が見えきます。
課題がわかってくると勝ち筋がどこにあるのか見えてきます
勝ち筋を理解することが重要です。