こんな方におすすめです。
転職を考えているけど転職エージェントを使うメリットがわからない。どのように転職エージェントを使えばいいのかわからない。このように、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
私は、新卒で酒屋(酒専門の卸売業)の営業として就職しました。
そして、32歳の時「ITベンチャー企業」に初転職しました。その時、ITベンチャー企業への知識はほぼありませんでした。
職種は「営業職」そのままに、業界は食品商社(酒の卸売)からIT企業(ECプラットフォーム)へと180°変えました。転職から2年たち営業部で成果を残し、現在は管理部で新たなキャリアを構築しています。
この記事では、私が転職をするにあたり転職エージェントに感じた「メリットとデメリット」と転職後、ベンチャー企業管理部から見た転職エージェントの使い方を徹底解説します。
◆メリット
- 履歴書・職務履歴書の添削
- 面接対策
- 企業における選考ポイントを聞ける(通過理由/否決理由)
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 本当に転職すべきか(人生の棚卸)
◆デメリット
- エージェントと合わない
- 自分のペースで活動はできない
- エージェントの目標に左右される
①転職エージェントの使い方
まずは、転職エージェントの仕組を理解しましょう。仕組からメリットとデメリットが見えてきます。
エージェントはどこから報酬をもらっているの?
あなたが転職活動をするにあたり、内定が出ても出なくても1円も費用は掛かりません。
では、エージェントはどこから報酬を得ているのか?
転職エージェントの報酬は、転職希望者が企業への内定が決まったのち、実際に入社した際に企業から支払われます。
企業側から希望する人材を探してほしいという要望に対して、転職エージェントが希望する人材を紹介し、その紹介報酬という形で報酬が支払われます。
エージェントの報酬額はいくらなの?
企業から転職エージェントに支払われる報酬額ですが、転職希望者の転職先企業での年収額によって決まります。相場は年収の30~35%となっています。
仮に年収が500万円でマージンが30%の場合、150万円が企業から転職エージェントに対して支払われることになります。
すなわち、高年収で転職させた方が、転職エージェントにとってはより利益が大きくなります。
エージェントは活用した方がいいの?
転職回数や転職市場における知識や理解度にもよりますが、
活用した方がいいと断言します。
採用には大きく6つの方法が存在します。
※上から順に企業が負担する採用費は高くなります。
- ヘッドハンティング
- 転職エージェントを活用
- ダイレクトリクルーティングサービスを使う
- SNSなどのマッチングサービスを使う
- 友人から紹介してもらう(リファラル)
- 求職者が企業のコーポレートサイトから直接応募
企業は採用費のかからない、④~⑥の手法で採用を優先的に決めるのでしょうか?
答えは、NOです!
ダイレクトや直接応募の方は、企業が負担する採用費は低くなります。
だからと言って通過角度が高い低いということはありません。
少なくとも採用にしっかり力を入れている会社であれば、どうしても欲しい人材なら、企業側がさらなる予算の調整を行い獲得に動きます。
②転職エージェントのメリット
履歴書・職務履歴書の添削
履歴書の書き方を覚えていますか?
学生時代の就職活動以来という方も多いのではないでしょうか。
そして、転職(中途採用)の場合は「職務履歴書」があります。
以下は、私が32歳で初転職活動をしたときに使用していた「職務履歴書」の一部になります。大変お恥ずかしいですが、32歳にしてホントに身のない文章だと感じていますw
転職エージェントは、「履歴書」「職務履歴書」の書き方から教えてくれます。
書き方に関する、参考書はたくさん出回っていますが、
一番の違いは「フィードバック」をもらえることです。
自分一人では、見えていない自分の良さやよりよく見せるための表現方法などもアドバイスしてくれます。
また、一人で書くと本当にこれでいいのか・・・
もっと、よい書き方ができるのではないか・・・と悩みます。
経験のあるプロにフィードバックをもらえる安心感は計り知れません。
面接対策
履歴書同様、学生時代の就職活動以来という方も多いのではないでしょうか。
また、新卒採用の時は「学生時代に頑張ってきたこと」や「自分には●●の強みがあります」など職務経験やスキルなどなくても内定をもらえましたが、
中途採用(第二新卒含め)では、職務経験、スキル、具体的な成功エピソード、転職して何ができるのか、などなどビジネス的な会話しかありません。
仮に普段は営業職で顧客とコミュニケーションをとるのが得意だったとしても、
自分のことは、訓練して準備をしておかないと一朝一夕では語ることもできません。
そして、めちゃめちゃ緊張します。
しっかり準備をしないで臨むと実力の半分も出せずに終わってしまいます。
企業における選考ポイントを聞ける(通過理由/否決理由)
私は、この部分がエージェントを使用する最大のメリットだと考えています。
転職経験の豊富な方は、エージェントを使用しなくてもいいのでは?
転職サイトや転職エージェントを使用せず、自分が希望する企業のコーポレートサイトからダイレクトに申込んだ方が効率もいいのは?
そのように思った方もいるのではないでしょうか。
冒頭に “採用にしっかり力を入れている会社であれば、どうしても欲しい人材なら、企業側がさらなる予算の調整を行い獲得に動きます。“ と記載しました。
自分を偽るわけではありませんが、希望する企業からの内定をもらうために「職務履歴書」対策、「面接」対策を行い本番で高いパフォーマンスが出せるように訓練を重ねるわけです。
どんなに自分のパフォーマンスを磨いても相手を知らなくては話になりません。
そこで、登場するのが転職エージェントです。
エージェントは、希望企業のデータをもっています。
この情報が、めちゃめちゃ貴重です!!
この情報をもらうためにエージェントを使うと言っても過言ではありません。
- 過去、どういう人が通過しているのか?
- 一次面接には、どの役職の人が出てくるのか?
- その面接官の傾向や好みはなにか?
- 自分の経験やスキルのどの部分の押していけばいいのか?
私が、現在勤めているITベンチャー企業の面接を受ける前に聞いていた情報は、
1次面接:いきなり社長が出てきます。1次から社長が来ますが本質的な話は出ず雑談ベースのカジュアルなものになります。
2次面接:営業部長が出てきます。かなりパワフルでエモい人です。前職でのエモい成功事例をここで活かしましょう。
最終面接:取締役(No.2)が最後です。ここが肝です。ぺいんさんが●●社に入社して何を変えたいか、どんなことに貢献できるか具体的に伝えましょう。
などなど、相手の特徴まで教えてくれるので緊張せずに思ったことを伝えきることができました。
非公開求人を紹介してもらえる
転職サイトには、掲載されていない非公開求人を紹介してくれます。
また、過去の経歴やキャリアからプラミアム案件を紹介してくれる場合もあります。
転職サイトやネットに出回っていない求人情報を紹介してもらえるのはかなり大きなメリットです。
本当に転職すべきか(人生の棚卸)
初転職や第二新卒の場合、次に自分が何をしたいのか?
どこの業界に行きたいのか?
どのように自分のキャリアを築いていく予定なのか?
「自分ですら自分のことがわからない」ということがあります。
これは、当然なことです。
なぜなら、大半の人が「人生で初めて一人でする大きな決断」だからです。
「学生時代の進路や進学も自分で決めた」という人もいると思いますが、そこには大なり小なり親の判断と親のお金が関わっています。新卒での就職活動も同じくです。
日本人の大半は初転職を機会に自分の今までのキャリアや経験を振り返り、今後のキャリアを考えます。
事実、私がそうでした。
32歳で転職をしようと決めたとき、漠然と「IT業界」か「エネルギー業界」に行きたいという方向性は自分の中にありましたが、それ以外なにも自分の軸はありませんでした。
「IT」や「エネルギー」業界に行こうと思ったのも、今後も業界全体が成長傾向にあったからという曖昧な理由でした。
エージェントは、自分が生まれてから今日に至るまで人生の棚卸からスタートします。(※すべてのエージェントがしてくれるわけではありません)
大切にしている価値観の整理。
- 人生において今まで自分が決断してきた決断軸の整理
- 大切にしている価値観の整理
- どういうキャリアや人生を歩んで言いたいのか
転職希望者の方向性や軸を明確にした上で、
「転職をしない方がいい」という判断をする場合があります。
それは、転職希望者にとって転職するよりも、今はまだ現職に留まった方が転職希望者の人生にとってプラスになると判断したときです。
客観的なアドバイス、
壁打ち相手になり自分の軸や価値観をまとめられます。
③転職エージェントのデメリット
冒頭、お伝えした2つのことを思い出してください。
・エージェントはどこから報酬をもらっているのか?
⇒転職希望者を内定させたのち入社が決まった企業から支払われます。
・エージェントの報酬額はいくらなのか?
⇒転職希望者の転職先企業での年収額(30~35%)
これが、デメリットにつながります。
エージェントと合わない
これは、転職エージェントのみにいえることではありませんが、対人が行うことなので合う合わないは一定数発生します。
対処法としては、複数のエージェント(1つの企業だけではなく)を使用することです。
どうしても、その企業(例:リクルート)のエージェントを使用したい場合は、担当変更をしてほしい旨を伝えましょう。
自分のペースで活動はできない
エージェントは、慈善事業ではありません。当然エージェントにも会社から課せられている目標があります。それを、達成するカギを握っているのが転職希望者のあなたです。
エージェントは、転職希望者に幸せになってもらいたいと思う反面、転職してもい企業から報酬をもらわなくてはなりません。
転職希望者が、もたもたしていればどんどん背中を押してきます。そのため、頻繁に状況確認のメールや電話が来ます。
月に1社くらいのペースで面接ができれば良いと考えていても、可能な日程にはできる限り企業面接を組んできます。(※最終決めるのは転職希望者です。)
また、転職活動はスピード勝負です。
エージェントがあなたのキャリアアップのために絶対入社をしてほしいと思っている企業があったとしても企業の採用人数は決まっています。
あなたより先に内定が出てしまえば、当然入社はできません。
企業は常に採用をしているわけではありません。(景気や世の中の流れにも左右されます)
エージェントの目標に左右される
ここが、最も怖い部分でデメリットです。
先ほどからお伝えしていますように、転職エージェントにも目標数字があります。
達成するために、転職希望者をカモにしてくるエージェントがいます。(※騙し利用すること)
例えば、
転職希望者Aさんのキャリアアップにとって、本当にベストな会社はK社だけど、自分の目標数字を考えたときにD社の方が報酬が大きいからD社をお勧めしよう。
K社に入社させるよりもD社の方が報酬が大きいからD社押しで行こう。
M社とは懇意にしてるから今月1人面接組まないとなー。
私は初転職の時、2人のエージェントを使用していました。
その内1人が、女性エージェントYさんでした。
Yさんは企業面接前の準備をとても丁寧にしてくださる人でした。キャリアや人生設計の壁打ちもしてもらい信用していました。
その人が、紹介してくれる企業なら間違いないと思うようになっていました。
そして、Yさんが紹介してくれた企業から内定をもらったので、使用していたもう一つのエージェントにお断りの挨拶をしたところ、
「その企業って、ぺいんさんが向かうべきキャリアと違くない?」
「なぜ、そこにしたのですか?」と聞かれました。
「確かに!!」と我に返ったのを覚えています。
転職希望者にある程度知識があり、自分の軸がしっかりしていれば全く問題ありません。
知識が全くない、または自分の軸がブレがちな人は、
本、ネットなどでまず知識を入れてからエージェント登録を行いましょう。
④まとめ
しかし、エージェント登録をする前に最低限の知識を入れておきましょう。
そして、転職エージェントを2~3人使用する理由は、
- 使用した人数分より多くの情報が手に入る
- エージェントにより持っているいる情報が異なる
- エージェントと人間的に合わなかった場合のリスクヘッジ
また、ある程度自分が転職したい業界や方向性が決まっている人は、自分の希望する業界や職種について担当エージェントがどのくらいの知識を持っているか確かめましょう。
業界に詳しいエージェントとは、
企業名を知っているわけではなく、その企業がどういった社風(社長や取締役を知っているか)であり、どういった形でビジネスを伸ばしているか知っている点にあります。
また、変化の激しい現代において、その業界の最新情報をどれだけ持っているが重要になります。
是非、自分にあったエージェントの力を借りて、
悔いの残らない最高の転職活動になることを祈っています。
最後に以下記事もあわせて読んでいただけると、転職への理解が益々深まります。