ベンチャー企業を学ぶ

ベンチャー転職者が伝える【ベンチャーに転職してよかったこと / よくなかったこと】

ぺいん

こんな人にオススメです。

  • ベンチャー企業に転職しようか悩んでいる・・・
  • ベンチャー企業転職後に後悔したくない・・・
  • ベンチャー企業と大手企業は何が違うの・・・

ベンチャー転職を考えているけど後悔したくない。ベンチャー企業に転職するメリットってなに。このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。

私は、新卒で酒屋(酒専門の卸売業)の営業として就職しました。

そして、32歳の時「ITベンチャー企業」に初転職しました。その時、ITベンチャー企業への知識は全くありませんでした。

職種は「営業職」そのままに、業界は食品商社(酒の卸売)からIT企業(ECプラットフォーム)へと180°変えました。転職から2年たち営業部で成果を残し、現在は管理部(情報管理、契約管理、請求管理、債権管理)で新たなキャリアを構築しています。

この記事では、現役でITベンチャー企業に勤務しているからわかる「ベンチャーに転職してよかったこと / よくなかったこと」を徹底解説していきます。

結論からお伝えすると、

ベンチャー企業に転職してよかったです。

精神と時の部屋に入っていたかのように短期間で市場価値が爆上がりしました。

※精神と時の部屋とは、『ドラゴンボール』に登場する、神様の神殿にある修業部屋です。部屋の特徴(機能)は、①時間の流れが異なる(部屋の外の1日≒部屋の中の1年)②厳しい環境(空気・重力・気温・娯楽無し)に身を置いて修行ができる。

ベンチャーに転職してよかったこと
  1. 裁量が大きい
  2. 100人の壁を経験できる
  3. できない理由ではなく、できる理由を探す思考になる
  4. 実力があれば20代で役職者に抜擢される
  5. 会社の看板ではなく、自分の価値(value)で勝負ができる
ベンチャーに転職してよくなかったこと
  1. 給与(年収)は下がる
  2. 経費(接待交際費など)はほぼ使えない
  3. 福利厚生が乏しい
  4. 社内貸与されるPC・スマートフォンのスペックが低い

①ベンチャー転職してよかったこと

裁量が大きい

大企業の場合、何をするにも上司や他部署の承認が必要になりますが、ベンチャー企業の場合、自分(1人称)で判断し動き始める機会が多くあります。

確かに、裁量は大きいです。

しかし、間違ってはいけないのがベンチャーは基本いつも人が足りていません。

人がいない=任せられる人が少ない

任せられる人が少ないので「やらざるを得ない」環境という表現が正しいかもしれません。

ベンチャーだから任せられるわけではありません。

大手企業でも中小企業でも仕事ができる人は、仕事を任せてもらえます。

そこを勘違いしてベンチャー転職をしてはいけません。

確かに、裁量は大きく経験できる幅は広がります。自己成長にもつながります。

しかし、「任されている」のか「やらざるを得ない」のか、そこはしっかり判断しましょう!!

100人の壁を経験できる

100人の壁とは、

組織の壁とは、組織の成長過程において発生する課題を例えたものです。企業は、増員のタイミングで組織拡大の壁を乗り越える必要があります。 一般的に30人・50人・100人の節目で課題に直面しやすいことから、「30人の壁、50人の壁、100人の壁」と呼ばれています。

私が、今のITベンチャー企業に転職したとき社員数は30名くらいでた。そこから、2年が経ち現在は、100名前後にまで拡大しています。

私の経験上、30名規模~100名規模になる過程で以下のことが発生します。

メリット
  • 経営層と従業員の距離が近い
  • 新規事業や新規プロジェクトの発足
  • 組織が安定してくる

デメリット
  • 属人性が高まる
  • 成長スピードが鈍化する⇒意思決定が鈍化する
  • 組織が細分化していく⇒部分最適になる

メリットもデメリットも含めて、この過程を経験できることに価値があります。

この経験から自分は何を学び取り、何に貢献したのか。

次のベンチャー企業に転職した際、

経験した100人の壁を活かして成果を「再現」することができなれば、ものすごく市場価値の高い人になれます。

できない理由ではなく、できる理由を探す思考になる

人は人である以上、防衛本能(何らかの危機に瀕した時に、無意識に発動する身体を守る行動)が働きます。

仕事で「無理な目標」「無理な納期(期日)」「無理な課題」を渡されると瞬時にできない理由を探します。

できない理由=言い訳を探します。

人はできない理由を考える天才ですw

しかし、訓練と環境次第で変えられます。できない理由を探し続けても自己成長しません。

ベンチャー企業に勤めていると、基本「無理なことの連続」です。

当然と言えば、当然かもしれません。

世の中にない、イノベーションを創ろうとしているのだから険しい道のりです。

日々、「どうしたらできるか」できる理由を考え続けています。

できる理由を考えて、それを実行し

結果として、できなかったとしても「思考」したことに価値があります。

実力があれば20代で役職者に抜擢される

先ほども書きましたが、ベンチャー企業はすべてにおいてリソース(主に人・物・金)が足りていません。そのため、成果を残している人、能力が高い人がポジションを兼務していることが多いです。

「今の部署で成果を出し続ける」×「できる範囲を広げていく(どんどんできる範囲を広げていく)」ことで、昇進しやすい環境があります。

また、年功序列もないため年齢に関係なく実力がある人がポジションにつき、若くてもリーダー、マネジャーをしている人がたくさんいます。

私が、今勤めているITベンチャー企業では、新卒2年目で役職者に抜擢された人がいます。

陰で努力し、人より早く成長して新しい経験をしたい人にはもってこいの環境です。

会社の看板ではなく、自分の価値(value)で勝負ができる

大手企業にいると、嫌でもその企業の看板(ブランド)を背負って仕事をすることになります。自己努力をしなくても会社のVaiue(価値)で、クライアントや顧客の信頼を獲得することができます。

ベンチャーには、その看板(ブランド)がありません。個の力で道を切り開かなければなりません。自分の実力、自分の持っている価値(value)で勝負をすることができます。

また、転職市場で大企業に勤めていると、

今、勤めている会社で営業成績No.1を取ったとしても、次の会社で同じことができるのか疑問視される可能性があります。

それは、本人の実力ではなく、

  • 会社の看板、会社のブランド力が強かった
  • 企業としてのプロダクト(製品・商品)がよかった

という見られ方をされてしまいます。

自分の実力、自分の持っている価値(value)で勝負をして、得た成果は「再現性」が高いものになります。

どんな環境でも、次の企業に転職したとしても同じ成果を出せる人物と判断される可能性が高くなります。

②ベンチャー転職してよくなかったこと

給与(年収)は下がる

一昔前に比べてベンチャー企業の給与水準は高くなってきたと言われますが、それでも転職をする際は年収が下げる覚悟が必要です。

32歳の時に前職(酒屋)からITベンチャー企業に転職して年収が150万下がりました。

月の給与はそこまで変わらなかったのですが、前職は以下2つがありました。

  • 前職は、年2回賞与があった
  • 前職は、みなし残業ではなく、分単位で残業代がもらえた

みなし残業とは、

実際の労働時間に関わらず毎月一定の残業を行ったとして、基本給の中に固定残業代を含めて支払う賃金制度です。

特に年2回の賞与がないのは、転職当初かなり痛手でした。

なぜ、給与は下がるのか?

ベンチャー企業はすべてにおいてリソース(人・モノ・金)が足りていません。

事業を拡大するために人材の獲得や広告宣伝費を確保したいと考えても財務的に厳しく、資金の面からビジネスの拡大が鈍化する場合もあります。

近年では投資機関からの出資を受けて、資金調達を成功させ事業を拡大するベンチャー企業が増えています。

ベンチャー企業(スタートアップ)にお金はありません。

その企業の成長ステージによりますが、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、銀行などから資金調達をしている企業がほとんどです。

企業のビジネスモデルや将来性を買ってもらい出資をしていただいてます。

赤字を出し続けている企業も珍しくありません。

安定した高い給与を転職の目的とする人はベンチャー企業に向いているとは言えません。

余談になりますが、

ベンチャー企業(スタートアップ)で赤字が出ていることは問題ではありません。重要なのは「売上」が伸びているかです。特にMRRなどのストック型収益が重要になります。

企業として初期、中期でどれだけ赤字を掘って事業基盤を作れるか。広告費を使用しなくても黒字化できる基盤作りが大切になります。

経費(接待交際費など)はほぼ使えない

先ほど、お伝えした通り、資金調達をしている企業がほとんどです。

お金を投資してもらっている立場です。

無駄な経費など使えるはずもありません。

大企業とは、環境が全く異なります。

企業の成長ステージによりますが接待費や交際費が出ない企業が大半です。(自腹または、クライアント/顧客に支払ってもらうケースも珍しくありません)

今の世の中、多くはないと思いますが会社の経費で夜な夜な飲み歩きたい人は、ベンチャー企業への転職には向いていません。

福利厚生が乏しい

今、私が勤めているベンチャー企業の福利厚生です。

記載の通り、土日休みでそれ以外に長期休暇がもらえています。

以下は、某大手ECサイトを運営する企業の福利厚生です。

出産・育児・介護に関する制度・サポート

結婚休暇、妊娠中の通院休暇、産前産後休業、配偶者出産休暇、出生時育児休業、育児休業、子の看護休暇、介護休業、家族の介護休暇、妊娠/育児/介護期間中の短時間勤務制度、時差出勤制度、フレックス勤務制度、時間外や休日・深夜残業の免除、在宅勤務制度、出産見舞金、出産育児一時金、社内託児所、搾乳室、内閣府ベビーシッター割引券、家事代行サービスの法人契約、休職前/復職前セミナーの実施、等

食事補助

カフェテリアのあるオフィスでは、朝・昼・晩3食の食事を基本無料で提供しています。メインメニューはすべて日替わりで、その日の気分や好みに合わせて、選択することができます。しっかり食べたい人に向けたメニューから野菜中心メニュー、また、一部のカフェテリアではハラル、インドベジにも対応しています。様々なニーズに応えたバラエティ豊かなメニューが好評です。

サービス施設

充実した福利厚生施設が揃っています。託児所、カフェテリアのほか、ヘアサロン、ネイルサロン、フィットネスジム、鍼灸&マッサージ、クリーニングなど、プロによるサービスを優待価格で受けることができます。

その他

福利厚生サービス(リロクラブ)、健康カウンセリングサービス、入社時のビザ取得・更新サポート、リロケーションサポート、従業員向け優待割引(引っ越し・語学学習等)等、安心して働ける環境を整備しています。

比べては、いけませんねw

「福利厚生が欲しければ、大手企業で働きましょう」ということです。

創業期・シード期のベンチャー企業は、必要最低限の福利厚生すらも整っていないことが多々あります。

https://06ardbeg.com/venture-job-change/

社内貸与されるPC・スマートフォンのスペックが低い

PCはオフィス経費の中でもTOP3に入ると言われるくらい高価な資産です。

そのため、ベンチャー企業は社内貸与するPCやスマートフォンの経費を抑えています。

スマホは、電話とメールくらいなのでスペック低くても問題ありませんが、PCのスペックは低いと業務効率に関わってきます。

毎日、Macで仕事がしたいMacが欲しいと思いながら業務をしています。

勤め先でMacが貸与されているのは、エンジニア(プロダクト部)と上層部のみです。

営業部、マーケ部、HR部、コーポレート部、コールセンターはスペックの低いPCを使用しています。

参考までに、現在私が使用している機種です。

もちろん、ビジネスモデルの違いでベンチャー企業でも全社員Macでないと作業効率が落ちる。仕事にならない企業もあります。

しかし、大半のベンチャー企業はそうではありません。

ベンチャー企業に限ったことではありませんが、経費削減は売上を上げることと等しく重要です。特にベンチャー企業は投資をしていただいている身です。

PC・スマホ以外にも、経費の関してはかなりシビアです。

③まとめ

今回、ベンチャー企業に転職して「よかったこと」と「よくなかったこと」を比較する上で、あえて「よくなかったこと」も記載しましたが、

  1. 給与(年収)は下がる
  2. 経費(接待交際費など)はほぼ使えない
  3. 福利厚生が乏しい
  4. 社内貸与されるPC・スマートフォンのスペックが低い

②~④は、些細なことです。正直、ほとんど気になりません。

逆を言えば、②~④が気になる人はベンチャー企業に向いていないかもしれません。

「大企業病」にかかっています。その環境が当たり前ではありません。

しかし、①は死活問題にもつながることから苦渋の決断になります。

特に、家庭を持たれている人は自分1人の人生ではないため大いに悩まれると思います。

ただ、事実として日系企業への転職で、

転職時に1社目400万→2社目550万→3社目700万といったように右肩上がりに年収が上がることは絶対にありえません。(※外資企業への転職は例外があります)

日本の転職は目先よりも「転職後の企業での活躍」が重要になります。

「転職後の活躍」が重要になるといった意味でも、20~30代のうちにベンチャー企業に転職し大手企業で経験することのできない経験をすることは、40代以降のあなたのキャリアにとって確実にプラスになります。

  1. 裁量が大きい
  2. 100人の壁を経験できる
  3. できない理由ではなく、できる理由を探す思考になる
  4. 実力があれば20代で役職者に抜擢される
  5. 会社の看板ではなく、自分の価値(value)で勝負ができ

是非、一度、ベンチャー転職を考えてみてはいかがでしょうか。